ケンブリッジについて
ボストンはマサチューセッツ州最大のまちであるが、さらに細かい地域区分も存在する。よく用いられる分け方は、行政区分とは異なるようである。特に、チャールズ川の北側でハーバードやMITを含む地域をケンブリッジとよぶ。この地域では、このようにイギリスの地名に由来する名前が多い。そもそもマサチューセッツやニューヨークなどをまとめてニューイングランドと呼んでいるのだから納得である。
そういうわけで、ボストン周辺に住んでいると、例えばハーバードはボストンにある、などという言い方をすることはない。ここではボストンとは高いビルが立ち並ぶ狭義のボストンに限定されるので、ハーバードはケンブリッジにある、と言わなければならないのである。
さて、前述のようにケンブリッジはハーバードとMITを有する学術都市である。両者は歩いて30分くらいの距離にあって、シャトルバスを使えばあっという間についてしまう。大学機関がある関係で年齢・人種構成ともに多様で、特にハーバードスクエアは連日ごった返している。ここからはハーバード周辺に限った話になるが、喧騒が絶えない南側とは異なり、キャンパスの北側は非常に静かな住宅街である。有名どころでは地元マサチューセッツ州の上院議員であるエリザベス・ウォーレン氏が住んでいるそうだ。家賃が非常に高いこともよく知られている。
ハーバードから少し北に向かうと、Porter Squareと呼ばれる一角があり、ここには複数の日本食レストランが立ち並んでいる。聞くところによると、ここには昔日本人コミュニティが存在し、その名残で和食店があるのだという。この辺りもある程度の人口を抱えていて、平均的なアメリカの集落と比べるとかなり賑やかな方だと思う。
ケンブリッジは物価と家賃を除けば非常に住みやすいまちであるように思う。ボストン市街に移動したければ、Red Lineという電車路線を使って15分ほどであるし、川の南側にはBlue Bikeというレンタサイクルですぐに行ける。今のところ特に不満はない。