バークレーの話
私が幼少期を過ごした石橋は大阪大学・豊中キャンパスの城下町で、大学から坂を下って商店街に出ると、幅広い価格帯の飲食店が立ち並んでいた。カリフォルニア大学バークレー校には、それに近い雰囲気がある。アメリカで一番好きなキャンパスは、と聞かれたら間違いなくバークレーと答えるだろう。
まず有名な Sather Gate だが、サークルのビラを配る人、ダンスの練習をする人など、日中は多くの学生で活気に満ち溢れている。ここから大学の外に出ると繁華街で、食事に関してはかなりのオプションがあり、ハーバード・スクエアなどとは比べものにならないくらいの充実度である。先にも述べたとおり阪大・豊中キャンパスの最寄駅周辺には石橋商店街とよばれるアーケードがあって、同様の環境を提供してくれる。そういうわけで親近感を覚えた。
逆に門をくぐって大学内に入ると、すぐに the Campanile という塔が目に入る。この塔は物理学棟のすぐ真横にある。ある教員が「このような重要なモニュメントの横に物理学科があることこそ、バークレーにとって本学科がいかに重要な存在であるかを示している」と言っていたが、まぁそんなものかもしれない。
ちなみにこの塔から南に目を向けると、キャンパスを貫く坂道の先にゴールデン・ゲート・ブリッジを望むことができる。山中にあるキャンパスならではの光景で、これを超えるものは、私は神戸大学しか知らない。
さて、本題の物理学科であるが、AMOは新しい教員を最近一気に3人も雇ったことにより、活気付いている。長老Stamper-Kurn教授曰く、「バークレーAMO黄金時代の始まり」とのこと。実験の面では、実験室の空調管理の質が他のトップ校と比べるとやや劣るそうだが、公立校なので多少仕方ない部分はあるだろう。ただ彼がいうようにバークレー(および同じくサンフランシスコにあるスタンフォード)では若い研究者がたくさん採用されており、気運の高まりを感じている。